ファクトフルネスとは――データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。(BOOKより引用)
とある新聞の引用の話になりますが、ビル・ゲイツが、2018年にアメリカの大学を卒業した希望者全員に、この本を無料でプレゼントしたそうです。それだけおすすめできる本です。
みんなの評判は?
「ファクトフルネス」やっと読み終わった。ツイッター使うに当たってとても大事なことが書いてると思った。(もちろん他でもためになる)
— キョウコ (@kyokoaka_clove) December 2, 2020
横からすいません、同意です。ファクトフルネスもマジでお勧めです。世界に対する見方が変わります。
— 走れリーマン (@person_run) November 26, 2020
2020年ビジネス書大賞作品なので高評価です!!
こんな人におすすめ!
1.賢い方
2.頭のいい女子
3.ビジネスマン
4.世界を悲観してそうと少しでも感じた方
著者は?
ハンス・ロスリング(Hans Rosling, 1948年7月27日 – 2017年2月7日)は、スウェーデン・ウプサラ市出身の医師、公衆衛生学者。カロリンスカ研究所の国際保健学の教授および、スウェーデン・ストックホルムに拠点を置くギャップマインダー財団のディレクターを務めた。世界的ベストセラーとなっている『ファクトフルネス(英語版)』の著者。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
共著のオーラ・ロスリングさんは息子さん。アンナ・ロスリングさんはその奥さまです。
突然ですが、クイズ!
- 質問1:現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を終了するでしょう?
- A:20%、B:40%、C:60%
- 質問2:世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?
- A:低所得者、B:中所得者、C:高所得者
- 質問3:世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
- A:約2倍になった、B:あまり変わっていない、C:半分になった
- 質問4:世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?
- A:50歳、B:60歳、C:70歳
- 質問5:15歳未満の子供は、現在世界に約20億人います。国連の予測によると、2100年に子供の数は約何人になるでしょう?
- A:40億人、B:30億人、C:20億人
- 質問6:国連の予測によると、2100年には今より人口が40億人増えるとされています。人口が増える最も大きな理由はなんでしょう?
- A:子供(15歳未満)が増えるから、B:大人(15歳から74歳)が増えるから、C:後期高齢者(75歳以上)が増えるから
- 質問7:自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年で同変化したでしょう?
- A:2倍以上になった、B:あまり変わってない、C:半分以下になった
- 質問8:図解の為省略
- 質問9:世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
- A:20%、B:50%、C:80%
- 質問10:世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けています。同い年の女性は何年間学校教育を受けているでしょう?
- A:9年、B:6年、C:3年
- 質問11:1996年には、トラとジャイアントパンダとクロサイはいずれも絶滅危惧種として指定されていました。この3つのうち、当時よりも絶滅の危惧に瀕している動物はいくつでしょう?
- A:2つ、B:1つ、C:ゼロ
- 質問12:いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?
- A:20%、B:50%、C:80%
- 質問13:グローバルな気候の専門家は、これからの100年で地球の平均気温はどうなると考えているか?
- A:暖かくなる、B:かわらない、C:寒くなる
- ぜひ答えを確認して欲しい。日本人の平均正答率は10%以下です。この問題は、教養を受けた先進国ほど間違える傾向が高いです。
- 本書は、これらの問題を間違えてしまう10の思い込みを紹介し、データに基づく世界を正しくみる習慣を身につけることが出来ます。
10の思い込み
思い込み1「分析本能」
- 「世界は分断されている」と言う思い込みを分析本能と言う。
- 「金持ち」対「貧乏」、「先進国」対「発展途上国」などの対立関係は物事をドラマチックに捉えるとても魅力的な考え方である。
- 例えば、「先進国」対「発展途上国」の母親一人当りの子供の数と5歳までの生存確率が極端な分布をしているという考え方は、1965年のデータに基づいた話であり、2017年のデータでは先進国と途上国には優位な差はない。
思い込み2「ネガティブ本能」
- 「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みをネガティブ本能と言う。
- 人間には、物事のポジティブな面よりもネガティブな面に気づきやすいという性質がある。
- 「あやふやな過去の記憶」「ジャーナリストや活動家による偏った報道」「以前より良くなっていると言い辛い空気」などが原因である。
- 格差は存在するが、過去に比べて少なくなっているなど、「悪い」と「良くなっている」は両立することを知ると、ネガディブ本能から開放される。
思い込み3「直線本能」
- 「世界の人口は増え続ける」と言う思い込みを直線本能と言う。
- 多くのデーターは直線ではなく、S字カーブ、滑り台形、コブ形、指数関数曲線などに該当する。
- 例えば、人口増加の推移は、指数関数的に増加しているように感じるが、実際はS字カーブ方に推移するため、人口は110億人程度に集約される。
思い込み4「恐怖本能」
- 危険でない事を、恐ろしいと考えてしまう思い込み
- 世界は恐ろしいと思う前に、リスクを正しく計算し、現実を正しく見る必要がある。
- 「リスク=危険度×頻度」で正しく物事を捉えると、飛行機事故の死亡事故や、熊などの野生動物に襲われる被害よりも、下痢でなくなる子供のリスクや、夫や親のDVで亡くなる子供や妻の被害の方が多いことが分かる。
思い込み5「過大視本能」
- 「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
- 何かと比較したり、要因を因数分解するなどして数字を捉えると、物事の意味を正しく理解する事ができる。
- 例えば、世界の二酸化炭素排出量を見ると、中国は圧倒的な量であるが、国民一人当りの排出量で捉えると、その実態を正しく把握できる。
思い込み6「パターン化本能」
- 「ひとつの例が全てに当てはまる」と言う思い込み
- 類似したものを単に同じ集団に分類してひとくくりにしてしまうのではなく、集団の中の違いや、別の集団との共通項を見つけることは重要である。
- 発展途上国、先進国と分類分けをして生活水準を見るのではなく、所得に応じて生活レベルを見極める事が必要である。
思い込み7「宿命本能」
- 「すべてはあらかじめ決まっている」と言う思い込み
- ゆっくりとした変化は気づきにくいが、長い期間を経て大きな変化を生む。その為、知識は常にアップデートする必要がある。
- 「男らしさ信仰」などの頑固親父の価値観は、社会の進歩を通じて徐々になくなっている。祖父祖母世代と話して初めてこれらの価値観の変化に気づくことも多い。
思い込み8「単純化本能」
- 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
- 「子供にトンカチを持たせると、何でも釘に見える。」と言う言葉がある。
- 何かの道具が器用に使える人は、それを何度も使いたくなる。しかし、1つ問題には複数の要因があるため、トンカチ以外にも、ねじ回しやレンチ、巻尺などが必要になる場合がある。
- 平均寿命を考える場合、国の経済発展状況以外にも医療レベル、食生活などを考慮すると、キューバがアメリカよりも健康な国である事が見えてくる。
思い込み9「犯人探し本能」
- 「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
- 物事が上手く行かないときは、犯人ではなく原因にフォーカスする必要がある。誰かの故意的な要因がなくても悪いことは起こる。
- アジアの出生率の低下を、中国の一人っ子政策の影響と考えてしまいがちだが、それ以上に避妊具の普及の影響が大きい。
思い込み10「焦り本能」
- 「今すぐ手を打たないと大変な事になる」という思い込み
- 未来予測は不確かなものである。その為、「占い師」などの未来予言者に注意する必要がある。また、大胆な意見など不安を煽る過激な発言に注意する必要がある。
- 地球温暖化は切実な問題であり「温暖化難民」という言葉もある。
- しかし、これらの言葉は戦争や貧困、紛争、難民などの問題を地球温暖化に押し付けているに過ぎない。
ファクトフルネスの大まかなルールを決めよう!
- 「分析本能」を抑えるには、大半の人がどこにいるかを探そう。但し、様々な視点で判断すること。
- 「ネガティブ本能」を抑えるには、悪いニュースの方が広まりやすいと覚えておこう。統計から変化の方向を意識する。
- 「直線本能」を抑えるには、直線もいつかは曲がる事を知ろう。様々なグラフの形を知ろう。
- 「恐怖本能」を抑えるには、リスクを正しく評価しよう。恐怖と危険を見分けよう。
- 「過大視本能」を抑えるには、数字を比較しよう。
- 「パターン化本能」を抑えるには、分類を疑おう。パターンの中外で比較しよう。
- 「宿命本能」を抑えるには、ゆっくりとした変化でも変化している事を心にとどめよう。上から目線の考えも捨てよう。
- 「単純化本能」を抑えるには、ひとつの知識がすべてに応用できない事を覚えておこう。意見の合わない人の話に耳を傾けよう。
- 「犯人探し本能」を抑えるには、誰かをせめても問題は解決しないと肝に銘じよう。人や集団ではなく、システムを見よう。
- 「焦り本能」を抑えるには、小さな一歩を重ねよう。まずは深呼吸。正確で重要なデータだけを判断材料に取り入れよう。
終わりに
ファクトフルネスの視点を身に付けるために大切なのは、謙虚さと好奇心だといいます。そうすれば、自分の知識は限られていることを認め、新しい事実を快く受け入れることができるからです。そして好奇心があれば、いつも新しい情報を発見し続けることができます。
FACTは「事実」、FULLNESSは「充満、十分」という意味です。ファクトフルネスとは、著者が指摘する10の思い込みに気づき、十分な事実に基づいて世界を見ることです。ファクトフルネスを実践しながら、今日のニュースをチェックしてみてください。昨日までと世界の見え方が変わるはずです。
興味のある方はぜひ読んでみてください。